「古い保険証をうっかり使ってしまった…」
「役所(または健康保険組合)から『医療費を返してください』という通知が届いて焦っている」
この記事を読んでいるあなたは、今そんな不安を抱えているのではないでしょうか。
また、無視してもいいんじゃないかと思っている方もいるのではないでしょうか。
まずは安心しましょう。
正しく手続きをすれば、一度返還したお金の大部分(7割〜9割)は「療養費」として戻ってくる!
わたしが国民健康保険(国保)の給付担当として、窓口で何百件もの療養費申請を受付してきましたが、実はこのミス、転職や退職のタイミングで多くの人が経験されることなんです。
しかもこれ、国保だけでなく、会社員が加入する健康保険組合でも起こる可能性があること!
今回は、市役所のHPには載っていない「手続きを最短で終わらせるコツ」や「2026年現在のマイナ保険証環境での注意点」を交えながら、元国保担当の視点でわかりやすく解説します。
1. 【まず確認】保険証の誤使用とは?こんなケースが該当します
「保険証の誤使用」とは、本来使うべきではない「資格を失った保険証」を使って受診してしまうことです。
保険証誤使用の典型的な5つのパターン
- 転職後: 前の会社の保険証をそのまま使ってしまった。
- 退職後: 協会けんぽから国保に切り替えたのに、古い保険証を出した。
- 扶養削除: 収入が増えて扶養を外れたのに、親や配偶者の保険証を使った。
- お子さんの就職: 就職したお子さんが、まだ親の扶養の保険証を使っていた。
- 有効期限切れ: 単純に期限が切れた古いカードを提示してしまった。
- 健康保険の切り替え忘れ:就職や転職に伴い、健康保険の切り替え手続きを忘れ、マイナ保険証を掲示した。※退職後に多い
💡 元担当者の一言エピソード 窓口で最も多かったのは「転職後1〜2ヶ月以内」のケースです。新しい保険証が届くまでにタイムラグがあり、手元にある古い保険証を「使えるだろう」と思って使ってしまう方が後を絶ちませんでした。
⚠️ 2026年最新:マイナ保険証の注意点
現在、マイナ保険証の利用が広がっていますが、「転職・退職のデータ反映には数日から2週間程度のタイムラグ」が発生します。
就職や退職のタイミングでは、健康保険の切り替え(健康保険→国保/国保→健康保険)手続きをしないといけません!特に、即日受診をしたい場合は加入する健康保険組合(国保の場合は住民票登録地の役場)に確認!
マイナポータル上の健康保険証内の資格情報が「古い健康保険の情報」になっている状態で受診すると、正しく保険が適用されず、後日返還請求が発生するトラブルが増えています。

2. 医療費返還請求の通知が届いたらどうする?【慌てず対応しよう!】
受診から数ヶ月後、忘れた頃に自宅へ「医療費返還請求通知※」という書類が届きます。
※名称は「医療費返納通知」など請求先の健康保険によって異なります。
なぜ数ヶ月も経ってから通知が届くのか?
医療機関が保険者(会社の健康保険→健康保険組合 / 国民健康保険→市区町村役場)にお金を請求する「レセプト(診療報酬明細書)」という仕組みから、保険証の間違いが判明するまでに3ヶ月程度かかってしまいます。

⚠️ 元担当者が教える注意点
無視しても大丈夫なの?
もちろん、まれに「無視」される方がいますが、時効を迎えると「療養費として返還されるお金」も返還されませんし、民法上の不正不当利得にあたりますので、無視せずに正しく手続きを行いましょう。
不安に思ったときは、通知書に記載された電話番号をインターネットで検索し、正規の番号であるかあらかじめ確認しておくことがベストです!
※医療費の返還をかたる詐欺の可能性もあります。十分にお気をつけください。
※正規の医療費返還の場合、無視し続けると最悪の場合、訴訟につながる可能性もあります。
※厳しめに言わせていただくと、健康保険の切り替えなどのタイミングと言えど、誤って受診した患者さんにも責任はありますので、無視することがないように注意しましょう。
金額はどうして高いの?
通知書を見て「こんなに高いの!?」と驚く方が多いです。 窓口で払うのは3割(自己負担額)ですが、返還請求は残りの7割(保険者負担分)です。
- 例:窓口で3,000円払った場合 → 返還請求額は7,000円
- 例:窓口で30,000円払った場合 → 返還請求額は70,000円
※参考例のため高額療養費は考慮していません。
この金額を一度「古い保険者」に支払い、その後「(現在加入中の)新しい保険者」に請求することで、この7割分を取り戻すという流れになります。
3. 【完全版】医療費返還から療養費申請までの5ステップ
手続きの流れを整理しました。
- 【STEP1】返還請求通知を受け取る(古い保険者から主に郵送で届く)
- 【STEP2】古い保険者へ医療費を返還する(銀行やコンビニで納付)
- 【STEP3】「領収書」と「診療報酬明細書(レセプト)」を受け取る
領収書は、銀行やコンビニで納付したものでOK!
診療報酬明細書は、古い保険者(健康保険組合)に電話等で連絡し取得しよう! - 【STEP4】新しい保険者へ「療養費」を申請する
- 【STEP5】お金が指定口座に振り込まれる(申請から1〜3ヶ月後)
\ 手続きを早く終わらせる裏技 /
【STEP2】で返還金を支払う際、健保組合(もしくは市区町村役場)の担当者に「療養費の申請をしたいので、診療報酬明細書(レセプト)の写しを至急送ってください」と電話一本入れるだけで、その後の書類到着が1週間ほど早まります。
何も言わないと、支払確認後に送られてくることがあります。
💡ポイント!
診療報酬明細書(レセプト)は、誤って使用した保険証に書かれた健康保険(健保→健保組合 / 国保→市区町村役場)に電話などで請求しましょう。
4. 療養費申請に必要な書類チェックリスト
新しい保険者(現在加入している保険)に提出する書類です。
- 療養費支給申請書(新しい保険者のHPからダウンロード可能 )
新しい保険者が国保の方は、市区町村役場の窓口で申請書を記入・申請することができます。 - 医療費返還時の領収書(コンビニや銀行で納付時の原本)
- 診療報酬明細書(レセプト)
封入されている場合は、基本的には開封せず申請しよう。「緘」の印がある場合は開封すると無効になることがあります。 - 本人確認書類・振込口座がわかる通帳など
✏️ 記入のコツ: 不明な場所は一旦空欄にしておき、健康保険の担当者に確認しましょう。申請先の担当者が不足する部分を記載してくれる場合が多いです。
5. 知らないと損する!療養費申請の期限と時効
療養費の申請には期限があります。これを過ぎると、1円も戻ってきません。
- 時効:2年
- 起算日: 病院に受診した日の「翌日」から数えて2年です。
「まだ時間があるから」と放置していると、手続きを忘れて損することになります。
延滞金が発生するケースは稀ですが、民法でいう「不正不当利得」にあたりますので、精神衛生上も早めの対応が一番です。
6. 窓口でよくあった質問(FAQ)
Q. 返還したお金は全額戻ってきますか?
A. 自己負担割合によります。3割負担の方なら「返還した金額(7割分)」がそのまま全額戻ります。
Q. 払えないほど高額な場合はどうすればいい?
A. 保険者によっては分割納付の相談に乗ってくれる場合があります。放置せず、まずは通知を送ってきた担当部署へ電話してください。また、「保険者間調整※」という制度もありますので、返還が困難となる場合は、医療費返納通知に記載された連絡先に相談しましょう。
※保険者間調整とは?
「本来払うべきだった医療費(7〜9割分)を、役所や健保などの保険者同士で直接やり取りしてくれる仕組み」のことをいいます。まとまった現金を用意せずに済むため、まずは返納前に窓口へ「保険者間調整ができるか」相談してみましょう。

Q. 同月内に正しい保険証を医療機関に提示すれば返還不要?
A. はい、受診した月内であれば医療機関の窓口で精算できる可能性があります。新しい保険証(資格情報のお知らせや資格情報確認書)が届いたり、健康保険の間違いに気づいたら1日でも早く病院へ電話しましょう。
7. 今後のための予防策:保険証トラブルを防ぐ3か条
今回の手間を二度と繰り返さないために、以下の3点を意識しましょう。
- マイナポータルで資格情報を確認する
新しい職場に入ったら、マイナポータルで自分の健康保険情報が「現在加入している健康保険の情報」に切り替わっているか確認してから受診しましょう。加入している健康保険の情報と違う場合は、健康保険の担当者に「資格情報確認書」を請求しましょう。 - 古い保険証(資格情報のお知らせや資格情報確認書など)は速やかに返却・破棄
手元にあるとつい使ってしまいます。
退職や就職により健康保険が変更となった日に返却するか、健康保険組合や自治体の指示に従って破棄してください。 - 「資格情報確認書」を活用する
新しい保険証(資格情報のお知らせや資格情報確認書など)が届くまで・マイナ保険証に新しい健康保険の情報が登録されるまでに受診が必要な場合は、加入している健康保険(組合や自治体)に「資格情報確認証」など健康保険の資格が確認できる書類の発行を依頼してください。
まとめ|正しく対応すればお金は必ず戻る
保険証を間違えて使ってしまっても、しっかり手続きを踏めば損をすることはありません。
- 通知が来たらすぐに支払う
- 領収書とレセプトを大切に保管する
- 受診した日から約2年以内に新しい保険者へ申請する
これだけ守れば大丈夫です。「元担当者」の私からのアドバイスが、あなたの不安を少しでも解消できれば幸いです。もっと詳しい書き方や、他の給付制度についても知りたいと思った方は、要望があれば記事にしたいと思います!

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